第19章 私立リアリン学園!6時間目~ゼノ~
しばらくすると、台所のドアが開いて、生徒会メンバーが入ってきた。
「ユーリ、手伝いに来てくれたのか」
ゼノ様の声がして、チラリとドアの方に視線を向ける。
「はい、ゼノ様!」
ユーリが嬉しそうに返事をする。
「貴様も暇だな」
「えー、アル、その言い方ひどいな。せっかく手伝いに来てあげたのに」
「メニューは、カレーだよな?スパイスの調合は俺にまかせろ」
アルバートはそう言うと、手にしている袋からスパイスの粉?らしきものをいくつも取り出す。
「カレーの命だ」
アルバートは、そう呟きながら、計量スプーンを使ってスパイスを慎重にすくっている。
「あの~、カレールーあるよ?」
私は、箱に入ったカレールーをダンボールから取り出す。
「マイン先生、アルはそっとしておいた方がいいよ。ああいう時って誰にも止められないからさ」
ユーリが苦笑する。
確かに………。
私の言葉に耳を貸す気もなく、黙々と作業を進めているアルバート。
………ま、いっか。
ユーリは、野菜をカゴに入れ、皆に分配していく。
まな板や包丁を引き出しから出して、テーブルに並べて準備をするユーリの動きは、まったく無駄がない。
「はい、こちらをどうぞ」
ユーリに恭しく包丁を手渡される。
「ユーリって、執事みたい」
「そう?万能執事にお任せあれ♪なんてね。マイン先生、一緒にお肉切っちゃおう」
「うん」
ユーリと二人で豚肉を切り始める。