第19章 私立リアリン学園!6時間目~ゼノ~
「そういうことで、『廊下を走らない』を校則から外すという案は、却下です」
アルバートが言いきる。
「案は却下だが、マイン先生の視点がいい。新任のマイン先生だからこそ、違う角度から学園を見ることができるのだろうな。唯一無二の存在であることは間違いない。期待している」
ゼノ様が言う。
それって………すっごい、褒めてるよね?
ゼノ様の視線を感じるけれど………。
私は、目を合わせることができなくて。
手持ち無沙汰な感で、ペットボトルに手を伸ばし、ちょっぴりミルクティーを飲む。
「では、この後の日程の確認を。作業の手を休めることなく聞いてください。アンケート締切があさってなので、本格的に忙しくなるのはそれ以降となります。今週末の合宿もアンケート集計がメインとなりますが………」
アルバートの説明を、なんとはなく聞いていると………。
―――今、合宿って言った?
言ったよね?
「合宿って何?」
私が口を挟むと。
皆は、作業の手を止めて私を見る。
………おっと、注目浴びてるよお。
「初耳ですか?まあ………マイン先生は、まったくミーティングに出ていませんでしたからね」
「マイン先生も忙しいから、仕方ないんじゃない?それよりも、連絡事項が行き渡ってないってのは伝達ミスでしょ」
アルバートの皮肉めいた言い方に、レオが言い返してくれる。
「………失礼しました。今後は、伝達の徹底に努めます。………レオ=クロフォード、マイン先生に合宿の説明をしろ」
「え、俺?」
「他の者は作業の継続をお願いします」
アルバートは、集計作業に戻る。