第19章 私立リアリン学園!6時間目~ゼノ~
「生徒会が合宿なんてするの?運動部みたい」
合宿だって。
すっごい楽しそうな響き♪
「行事前の準備のためにね。放課後だけじゃ時間限られてるし、宿舎は行き来できないから全員集まるには合宿しかないからね。ここの校舎出た先に合宿所があるんだ」
「合宿所かあ」
「あと、サッカー部が試合近いんで、合同合宿になるから色っぽいネグリジェとかは禁止ね。危ないから」
「誰もマイン先生なんか襲ったりしねえよ」
カインが鼻で笑う。
「一言余計!」
私は、ふくれてみせる。
レオがアンケート用紙の裏に、生徒会室のある校舎と合宿所の位置の簡単な地図を書いてくれる。
「ほんとにすぐ裏なんだ。窓から見えるかな?」
私は、窓の外を伺う。
ウキウキしている私に気づいたのか、アルバートが、すかさず言う。
「マイン先生、遊びに行くのではありません。いわゆる、決起会ですから」
「けっき、会?」
………漢字が、思い浮かばないんだけど?
「決起会って………大げさだな。要は親睦会だよ」
「なっ………親睦会?そんなチャラいものではないっ!」
アルバートがレオに反論すると―――。
「親睦を深める合宿で合っている。せっかくだから、マイン先生も参加して楽しんでほしい」
ゼノ様が、静かにそう言った。
顔を上げると、正面に座っているゼノ様と目が合った。
けれど………。
私は、すぐに目を逸らしてしまった。
―――なんでだろう。
ゼノ様は、私に気遣って、いろいろ言ってくれてるのに。
それなのに。
私は、どうしていいか、わからなくなってしまう………。