第19章 私立リアリン学園!6時間目~ゼノ~
「これはこれで、面白くていいんじゃない?それだけ学園が平和って証拠だし」
レオが笑いながら私の肩をポンポンと叩き、なだめようとする。
私は、大きくため息をつく。
平和な証拠、か。
確かにそうかも。
国家情勢が不安定な国ほど、政治への関心が強くて、こういう要望も切実なものだ。
お気楽な要望ばかりってことは、それだけ皆、現状に満足してるってことだよね。
いいこと、なのかあ。
頭の中で納得していると。
「マイン先生、『廊下を走らない』という校則は、削除不可能です」
と、アルバートが、またもや、わけのわからないことを言いだす。
「え、何?」
「マイン先生が書いたアンケートです。2番の不要な校則という項目に、書きましたよね?」
「………」
確かに、私、『廊下を走らない、という校則は、あまりにも基本的すぎるので削除した方がいいです』って書いたけど………。
「どうして、私が書いたってわかるの?アンケート、匿名だよね?」
「この学園の先生なら、『廊下を走らない』という校則が、いかに大切かを知っているからです。それなのに削除を求めるとは。いかにも新任の先生というか、浅はかですね」
「浅はかって………そこまで言う?しかも何?廊下を走らないって校則が、そんなに大事なの?………小学生じゃあるまいし」
「カイン=ロッシュ、小学生扱いされておりますが?」
「………なんで、ここでカインに話をふるの?」
私は、アルバートからカインに視線を移す。