第19章 私立リアリン学園!6時間目~ゼノ~
「マイン先生、なにか用事か?」
「あ、はい、昨日ゼノ様に言われたファイルを借りようと思って。でもこれ、持ち出し禁止なんですね。私、部屋で見ようと思ってたんだけど」
「生徒会役員のみが閲覧できるようにしてある。時間があるようなら、今ここで見ていくといい」
「じゃ、そうします」
ゼノ様は、昨日座っていた中央の席に座ると、書類を広げだした。
「あの、ゼノ様は、どうしてここに?」
「昨日、レオに頼まれたアンケートの確認と、他にも目を通しておきたい書類があってな。生徒会の資料は極力持ち出さずに、ここで作業することにしている」
私には目もくれず、書類を眺めながら、淡々と答えるゼノ様。
私は、ゼノ様から一つ椅子を空けた席に静かに座ると、手元のファイルの次のページをめくる。
始業式の日付が書いてあり、そこには、ギッシリと書き込みがある。
その日の活動内容が事細かに記されている。
次のページには、昨日の日付と『生徒総会の準備』と題名があり、昨日のミーティングの内容が、これもまた細かく書かれてある。
これは、書記のアルバートが書いたのかな。
………性格出るなあ。
私は、もう一度棚に目を向け、持っているファイルを戻し、前年度のファイルを取り出す。
同じように、ファイルの最初には写真がある。
会長と副会長の名前は知らないのだけど。
書記 二年 ゼノ=ジェラルド
会計 二年 ミシェル=アードラー
会計監査 一年 アルバート=ブルクハルト
そう書かれてあって、一年前の彼らが写真の中にいる。
………一年前じゃ、あんまり変わった感じしないなあ。