第19章 私立リアリン学園!6時間目~ゼノ~
「レオ、マイン先生」
「あ、お疲れ様です、ゼノ様」
レオが軽く頭を下げる。
「ああ、レオの司会進行は、いつもスムーズで助かっている」
「ありがとうございます」
ゼノ様は、今度は私の方に向き直って。
「マイン先生、忙しいなか顧問を引き受けてくれたようだな。礼を言う」
「いえ、そんな。私で役に立てることがあれば喜んで!」
うわっ、私、ゼノ様と話してるよぉっ。
なんだか、勝手に鼓動が速くなっていって―――。
と。
「やべっ、遅れる」
私とレオの間をすり抜けて、慌てて生徒会室を出て行くカイン。
………この後、何か用事があるのだろう。
「カイン!アランに伝言頼める?」
すかさず、カインの背中に向かって声をかけるレオ。
「んなの、自分で言え!」
「すぐ済むからさ………待ってって」
レオがカインを追いかけていく。
「カイン=ロッシュ!廊下は走らない!」
ゼノ様の隣りに立っているアルバートが、声を上げる。
嵐が去ると―――。
ゼノ様は、もう一度私に向き直って。
「行事が近い時はミーティングも連日となるが、芽瑠先生は毎回参加していたわけではない。マイン先生も無理のない範囲でお願いしたい」
「はい。でも、私はできる限りお手伝いしたいんで、毎回呼んでください」
「頼もしいな………しかし、なぜマイン先生は、俺に敬語を使うのだ?」
「えっ」
「かしこまる必要はない。普通に話すといい。それから、ゼノと呼んでかまわない」
「………っ!?だって、そんな、タメ口なんて恐れ多いです!それに呼び捨てなんて、絶対無理!」
そう強く言った私に、一瞬驚いた表情をするゼノ様。
「そうか。ならば、好きに呼ぶといい」