第19章 私立リアリン学園!6時間目~ゼノ~
チャリッ。
ゼノ様の手の中で、小さな音が響く。
「これを」
鍵?
ゼノ様は、私の手の平に鍵を置く。
え、これって………合鍵?
ち、ちょっと待って!
もの静かで、紳士的なイメージなのに。
こういうコトは、大胆なわけ?
あ、でも、そうだ、ゼノ様は、時期国王。
私が王妃になる―――なんてことは、ありえないから………つまり、私って、側室?
私に、側室になれってこと!?
「だ、駄目です、こんなのっ!私には、無理です。私の国は、一夫一婦制ですし!側室なんてっ」
ゼノ様に鍵を押し返そうとする。
「いっぷいっぷ?そく、しつ?………これは、生徒会室の鍵だが?」
「へっ………?」
ゼノ様は、私の言っていることをまるで理解できなかったようで………不思議そうな顔つきをしている。
そして、私は………。
自分がものすごい勘違いをしたことに気づいて、恥ずかしくなった―――。
「奇怪だ」
ゼノ様の隣りのアルバートも、もちろん意味がわからなかったようで、眉をひそめて呟く。