第18章 私立リアリン学園!~ジル~ 情熱編
ジル 情熱編<R18>
~永続~
そのまま進路指導室を後にする。
………はずだった。
けれど―――。
「マイン先生」
後ろから、腕を掴まれて―――。
ゆっくりと振り向く。
妖艶な、熱を持った瞳。
怖いくらいに、強く、激しく、揺らめいている―――。
そんなジル教頭から、目が離せない。
「あの時の貴女が、ここでこうして………教師として、私の目の前にいるなんて」
出逢いは、一瞬だった。
もう二度と逢うことなんて、ないと思ってたから。
そんな曖昧な想いを抱えていても無駄なだけだからって、忘れ去ったはずだったのに。
ゼミで、再会した時のことを思い出す。
忘れようとしていた、想いがよみがえった、あの瞬間を―――。
「こうしてマイン、貴女にまた逢えるとは………しかも、こんなに、手の届く位置に………」
掠れた低い声が、私の胸をジンと打つ。
「ジル、教頭………」
「ジル、と呼んでください」
「………あ、でも」
「マイン」
「私………ジルとの出逢いを単なる偶然とは、思いたくありません」
切れ切れの声で、そう伝えると。
「知っていますか?偶然は、必然である、と」
必然―――。
ストン、と。
ジルの言葉が、胸の中に落ちてきた。
ああ、そうか。
この出逢いは、必然だったのだ―――。