第18章 私立リアリン学園!~ジル~ 情熱編
指先が、私の頬に触れる。
私は、唇を引き結び、今度こそと、期待を込めて目を閉じる―――。
「私が、苦手なのでは?」
反対側の頬は、吐息が触れるほどの距離にジルを感じて。
「………苦手、です。だって、全然、ジルの前では、どうしていいか、わからなくなって………」
「どうしていいか、わからなくなるのですか?なぜ?」
ゆっくりと、人差し指で、顔の輪郭をなぞられる。
「なぜって………ジルは厳しいし、私………失敗ばかりで、いつクビになるかって、ビクビクしてて」
「貴女をクビに?そんなつもりは、まったくありませんが?」
「でもっ」
私は、目を開けて、ジルの瞳を覗きこむ。
「言ったはずですよ?期待しておりますよ、と」
そうして、ゆっくりと私の頬にキスをする。
あ………。
見つめ合ったかと思うと、静かに唇が重ねられて………。
すごく、優しいキス―――。
くすぐったさを感じるほどに、触れるか触れないかのキスを繰り返されて………。
頭の芯が、ぼうっとしてくる―――。