第17章 私立リアリン学園!5時間目~ジル~
どうしよう―――。
この状況って、なんか………。
その、キス………って、こと?
私は、どうしていいかわからなくて、ギュッと目をつむる。
ゆっくりと、ジル教頭の鼻先が、私の鼻と触れる距離にまで近づいてきている―――。
唇に、吐息がかかって………。
もう、あとわずかで唇が触れる………そう思った時に。
「マイン先生?」
ふっと、離れていった―――。
「………っ!?」
私は、目を開けて凝視する。
「続きを、ご所望ですか?」
「………つ、続きって………?」
「からかったつもりだったのですが………マイン先生の反応が、あまりにもかわいいので………」
か、からかわれていただけなんだ―――。
けど。
か、かわいいって………。
「私とこうして再会して、運命でも感じてらっしゃるかと思いまして」
からかいまじりの口調。
「もしかして、私を、ここの教師にって………ジル教頭が配慮してくれたのですか?」
「いえ、そんな権限は、私にはありませんよ。マイン先生と私の出逢いは、単なる偶然です」
キッパリと否定して。
言葉を続ける。
「さて、ようやく片付きましたね。マイン先生、お手伝いありがとうございました」
その場の空気をガラリと変えるように、いつものジル教頭の顔に戻った。
「そうですね。じゃ、私は戻りますね」
私も、何事もなかったかのようにそう言い、背を向けたのだった。
※次ページより、情熱編<R18>となります