第17章 私立リアリン学園!5時間目~ジル~
「確かに指示は私が出しました。家具の配置、寝具類等、すべて………。マイン先生の好みをと。もちろん、私の勝手な推測ですが」
私の疑問を解消するかのごとく、的確な答えが返ってくる。
やっぱり、ジル教頭だったんだ。
「………そうだったんですね。ありがとうございます。私、とっても気に入ってます」
「気に入っていただけて、私も嬉しいですよ」
ふんわりとした優しい笑顔。
この笑顔をずっと見ていたい、なんて、ふと思って。
あ………なんか、私、ジル教頭と普通に話せてる―――。
「芽瑠先生の私物は外に運んでいただいて、私が回収しました。なかなか整理する暇がなくて、ファイルをお渡しするのが遅くなりましたが。片付け残した物など、何か不備等ございませんでしたか」
「そういえば、部屋の名札が、そのままでした」
「そのようでしたね。生徒に確認しましたが、マイン先生が、ご自分で替えられたようなので」
「はい、そうです………って、あ、私、芽瑠先生の名札、ゴミ箱に捨てちゃった!わーっ!!!それって、もしかして個人情報だからとか言います?」
大焦りの私に。
「名札一つで個人情報、ですか」
笑いをこらえるのに、精一杯といった様子。