• テキストサイズ

【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第17章 私立リアリン学園!5時間目~ジル~




「あの、私も手伝います」

「しかし………」

「次は空き時間です。授業がありませんので、お手伝いできます!」



言いきっておいて………はっと気がつく。

手伝うということは、ここで、ジル教頭と二人っきりで過ごすということで―――。



「そうですか。では、お願いします」



「あ、あのっ、ジル教頭は、他にもお仕事があって、お忙しいでしょうから、後は私が片付けるというのはどうでしょうか?」



私は、おずおずと、そう言ってみる。



「何をおっしゃるのですか。マイン先生一人に押しつけるわけには、いきませんよ」



私の方に向き直る。



「それとも、私と一緒では、何か不都合でも?」



「いえっ、不都合なんて、そんなっ………」



じっと見つめられて、慌てふためく。



―――片付けは、手伝いたいよ。

けど、ジル教頭と二人でって………何話していいかわかんないしっ。

ほら、もう手に汗かいてきた!



「私は、マイン先生に好かれていない、といったところでしょうか」

「え?いえ、そういうことでは………っ」

「でも、苦手と思われている………当たりですか?」



「………ええと、その………まあ、そういうこと、かもしれない………で、す」



私は、ごまかしきれずに………。

観念してしまう。



「………っ、正直な方ですね」



そう言って。

こらえきれない様子で、声を上げて笑ったので、私は、驚いてしまった。



うっわ………なんか、いつもと違う。



そう言われてみると。

先ほど、倒れた本棚の向こうから、こちらを見ていた時も、普段の姿からは想像つかないほどに途方に暮れた表情をしていて―――。



なんだか、ジル教頭の意外な一面を見た気がして、ドキドキしてしまう。



「あの、て、手伝いますねっ」


私は、かがんで足元の資料を束ね始める。



しばらく無言のまま、二人並んで片付けを続けていて―――。







/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp