第17章 私立リアリン学園!5時間目~ジル~
~進路指導室~
今日も一日が始まった。
順調に1時間目の授業を終えて、職員室に戻ろうと廊下を歩いていると………。
ドサドサドサッ!!
ガタ―――ンッ!!!
―――ものすごい音が、聞こえてきた。
ええっ!?
今の音………どこから?
辺りを見回して。
廊下の先に、進路指導室と書かれた部屋を見つける。
音がしたのは、あそこから、かな?
私は、おそるおそる戸を開けて見る。
―――!!!
目の前に、大きな本棚が横倒しになっている………。
思っていたより、大惨事なんだけどっ!!
と。
本棚の向こうに、人影がある。
「………ジル教頭!?大丈夫ですか?」
その人影がジル教頭とわかり、慌てて声をかける。
本棚と一緒に落ちたであろう資料の山の中で、苦笑している姿が見える―――。
「マイン先生ですか………見苦しい所をお見せしてしまいましたね」
力なく笑っている。
「いえ、そんなことっ………それより、大丈夫ですか?」
私は、側に行こうと思いつつも、目の前の大きな本棚に阻まれて、どうすることもできない。
「こんなことになったのが、私でよかったです。生徒に怪我を負わせるようなことになっていたらと思うと………」
倒れている本棚をギシギシと揺らしてみせる、ジル教頭。
あまりのことに、息を呑む。
「引き止めてしまって申し訳ありませんが、守衛室の方に、この状況を報告していただけますか」
「え?あ、はい………でも、あの、私も………」
「マイン先生は、次の授業がありますよね?私のことは、気になさらず。報告だけお願いします」
「………はい。わかりました………」
そう言われて。
ただ、頷くしかなくて。
私は、守衛室へと急いだ―――。