第17章 私立リアリン学園!5時間目~ジル~
クロードとお昼を食べ、職員室へと戻って来た。
5時間目は空きなので、ミルクティーを飲みながら、のんびりとファイルを捲る。
一番面白いのは、街の地図で、いろんなお店の情報が写真とイラストつきで、感想などが書き込まれているページだ。
ここ、行ってみたいな。
あ、ここも!
次のお休みが、楽しみになってくる。
校内図も楽しい。
芽瑠先生の考え出した近道や抜け道があるようで、極秘情報!と書かれている。
そして、さらに面白いことに、注釈に『ジル教頭には絶対秘密♪』なんて書いてある。
次の見回りの時、ここ、絶対通らなきゃ!
………と、思ったけど、ジル教頭もこれを見たということは、もうここはチェックされてるよね。
通れないように、鍵をかけられたかもしれない。
―――惜しいなあ。
けど、これを見ただけで芽瑠先生が、ほんとユニークな人だということが、よくわかる。
ガチャリ―――。
ほどなくして、小さな音がして、職員室のドアが開く。
先ほど、学園長に呼ばれていたジル教頭が、戻ってきた。
席に座るとすぐに、書類を書き始めている―――。
職員室では、いつも書類の山に囲まれていて忙しそうにしている。
学園内のすべてに精通していて、生徒や先生達にいつも気を配っていてくれて。
学園長にも絶対の信頼を置かれているようで、度々相談にのったり、助言をしているようだ。
厳しい中にも思いやりが溢れている教育熱心な人、というイメージ。
けれど、隙のない、完璧な人でもあって。
近寄りがたいと思ってしまうのは、私だけかな………。
私のことは、危なっかしい新米教師とでも思っているんだろうな。
あ、でも、今朝は褒めてもらったし、そろそろ一人前として認めてもらえてるってとこかな?
私は、ジル教頭を横目に、ミルクティーを飲み干した。