第17章 私立リアリン学園!5時間目~ジル~
2時間目、3時間目、4時間目………と、穏やかに授業が終わっていった。
一旦、職員室に教科書を置きに戻ってきて。
今日のお昼は何にしようかなと、考えを巡らす。
あ、そうだ。
私は、食堂とは反対方向の購買に向かう。
大抵は、食堂で食べているけど、たまに購買でパンやおにぎりを買って、被服室でクロードと過ごしている。
たわいない話をすることがほとんどだけど、相談ごとをする時もある。
まだ他の先生方と打ち解けていないので、クロードは唯一の存在だ。
実は、今でも内緒でリアンを連れて来ている時があるから、もしかしたら、リアンにも会えるかなって楽しみでもある。
購買へと向かう途中の廊下で。
あ。
向こう側から、ジル教頭がこっちにやって来るのが見えた。
すれ違いざまに、お辞儀をしようとすると―――。
「マイン先生、どちらへ?」
話しかけられるとは思っていなかったので、通り過ぎようとしていて、慌てて足を止める。
「購買です。今日は、買って食べようかなと思って」
「………被服室で、ですか?」
「えっ………?あ、はい」
急にそう言われて、少し戸惑う。
私が時々被服室に行っていること、知ってるんだ?
………クロードと仲がいいから、話を聞いてるのかな。
「購買は戦場と化してますよ。頑張ってくださいね」
今朝は、珍しく優しいかな、なんて思ったのに。
やっぱりの相変わらずな鋭い眼差しの、ジル教頭。
頑張ってくださいねって、言ってもらっても………てな感じなのだけど。
「ですよね。行ってきまっす!」
とりあえず、元気に答えて、購買へと向かう。