第15章 私立リアリン学園!4時間目~アラレオ~
私は、レオに背を向け、女子宿舎へと歩き出す。
「あ、マイン先生!」
呼び止められて振り向くと………。
レオが、こちらに向かって、緩やかに何かを投げてよこした―――。
「えっ、わっ………と」
慌てて、受け取って―――。
手の中を見る。
それは、宝石のように艶やかに、真っ赤に輝いている一粒のイチゴだった。
「それ、話につきあってくれたお礼」
私は、イチゴを持つ手をレオに振って見せる。
レオの姿が見えなくなると、イチゴをそっと口に運ぶ。
………ん、甘酸っぱくて、美味しい。
口の中でジュワリと広がっていく―――。
同時に、私の心にも、みずみずしい感情が溢れてくるようだった。