第15章 私立リアリン学園!4時間目~アラレオ~
~女子宿舎~
モグモグと口を動かしながら、玄関のドアを開ける。
………あ、いい匂い。
ふんわりと甘い香りが、あたりにたちこめている。
厨房の方から、女子生徒達の賑やかな声が聞こえてくる。
私は、通りがかりに厨房を覗く。
「あ、マイン先生」
「お帰りなさい」
「お疲れ様です」
気づいた女子生徒達に、口々に声をかけられる。
「何作ってるの?」
私が聞くと。
「クッキーです。よかったら味見してください」
そう言って、焼きたてのクッキーを差し出される。
「え、いいよ、いいよ。せっかく作ったのをもらうわけには………」
「たくさん作ったので、どうぞ」
ニッコリと笑顔を向けられて。
「じゃ、遠慮なく………ん、美味しい!」
「よかったぁ」
「マイン先生、こっちのも食べてみてください」
「これもどうぞ!」
チョコクッキーに、アーモンドの入ったクッキーなど、たくさんの種類があって、勧められるままに味見をする。
チョコペンでかわいく飾ってあるクッキーもある。
「アラン様、受け取ってくれるかな」
「アラン様は、無理だよ~」
「私達より美味しいの作りそう」
………やっぱり、アランって人気なんだ。
それにしても。
この学園の女子生徒は、皆、身なりも言葉使いもよくて上品だ。
相手を様づけで、呼んでるんだよね。
育ちがいいから、なのかな。
………それにひきかえ、男子は横柄だよね。
先生の私にタメ口だし―――。