第15章 私立リアリン学園!4時間目~アラレオ~
「アランが、気になる?」
レオに、そう聞かれて。
………?
ぼんやりしていたから、アランのことを考えていると勘違いしたのかな。
私は………。
レオのことを考えていたのに―――。
「あー、うん。その………アランって、見た目とギャップありすぎだよね。でも、料理できる男の人ってポイント高いかも」
「一番人気なのも頷けるって?」
「え?一番人気って?」
「あ、マイン先生は、知らないのか。春に学園の人気投票があって、アランが一位だったんだ」
「ええっ?アランが!?」
私は、ついつい大声を出してしまう。
「そんなに意外?」
「だって、全然愛想ないし………怖そうだよね?」
「怖そうって、いいね」
レオは、可笑しくて仕方ないというように笑い続けている。
「あ、でも。そうか。サッカー部の練習を見学してた女のコ達の大半は、アラン目当てっぽかった」
私は、さっきの練習風景を思い浮かべる。
「マイン先生も練習見に行ってたの?」
「見回り当番の時、グラウンドの前通ったから。そうだ、MVP取って、選抜強化合宿に参加したんだってね。プロのサッカー選手に教えてもらえる合宿とかって、すごいよね」
「あの日、俺、アランの見送りに行ったんだ。けど、『なんで、あんたが来るんだよ』って言われた」
「あはっ、アランらしい。けど、レオもわざわざ見送りに行くんだね」
「俺、あんまり新幹線乗ったことないから、ちょっと憧れなんだよね。見送りに行って、いろんな新幹線見れて楽しかったよ」
「………新幹線だったんだ」
あれ。
何か、引っかかるものを感じる………。
結衣と温泉に行ったあの日。
七月一日。
アランもその日、合宿に行った。
私もアランも、新幹線で。