第15章 私立リアリン学園!4時間目~アラレオ~
「レオは、何買ったの?」
さりげなく話題を変える。
何をそんなに買う必要が?と思うほどに、いっぱい物が入ったレジ袋をさげているから、疑問にもなる。
「これは、アランに頼まれたんだ。サッカーの試合が近くて遅くまで練習あって、買い物行けないって言うから」
「育ち盛りだもんね」
「帰って来たら疲れてすぐ寝ちゃってるから、作る暇なんかないのにね」
「え、作る、の?」
「なんだと思ったの?」
「おにぎりとかパンとか、すぐ食べられる物を頼まれたのかと思った。アランって料理するんだ?」
「うん、上手だよ」
アランのむっとした表情が、思い浮かぶ。
なんか意外―――。
料理が趣味ってタイプに、見えないんだけど。
「レオとアランは、仲がいいの?」
レオをいつも迷惑そうにしているアランだけど、買い物を頼むくらいだもんね。
「まあね。席が隣りだし、宿舎でも部屋が一緒だし、それに………」
そこで、不自然に言葉を切るレオに、違和感を覚える。
「それに?」
「ん、アランとは、なんか縁があるんだよね」
「それ、わかる。生活を共にするルームメイトの存在って、大きいよね」
私は、なんとなくレオの言葉をフォローしてしまう。
何か言いかけて、やめた………そんな気がして。
「ルームメイト、ね」
レオが、静かに呟くのを、私は聞こえないふりをした―――。