第15章 私立リアリン学園!4時間目~アラレオ~
「いいの、持ってんじゃん」
「え?」
アランは、私の手からペットボトルを奪うと………。
あっというまにゴクゴクと飲み始めて―――。
―――え、え、えっ!?
「ちょっと、何、勝手に………」
「ん」
アランは、唇を舐めながら、飲み干したペットボトルを私に差し出す。
………あ、飲み干してないや。
なんか、ひと口程度?残ってるんだけど。
「全部飲んだら、すげえ怒りだしそうだったから」
―――それで、ひと口残したわけ?
けれど。
これって………もしかして、もしかしなくても………。
「間接キス、とか言う?」
「………っ!!!」
思っていたことを言われて、顔が熱くなっていく―――。
そう言ったアランも。
なんとなく、目元が赤い。
………照れてる?
「俺は………」
アランが、何か言いかけた時―――。
ピピ―――ッ!!!
鋭いホイッスルの音が、グラウンドから聞こえてきた。
休憩終わりの合図だろう。
「あ………」
アランは、何を言おうとしたのだろう。
尋ねようとしたけれど。
我に返ったような、はっとした顔をするアラン。
―――無意識に何かを言おうとして、やめた、そんな感じ。
とっさに口をついて、でかかった言葉は、発するべきではないと気づいたのだろう………。
私は、その表情で、悟った。
その言葉は、もう決して、口にはしないだろうと―――。