第15章 私立リアリン学園!4時間目~アラレオ~
「あ、あのね、私、この日、友達と温泉に行ってたんだよ」
「ふーん………あの時、温泉行くとこだったのか」
アランが、小さく呟く。
「ん?………あの時って?え、何?」
私は、うまく聞き取れなかったようで、聞き返してみる。
「………何でもない」
「………?」
「俺が、きっつい練習してる時に、マイン先生は、男とイチャイチャ温泉入ってたんだ」
「………は?お、男じゃないし!」
アランのからかい口調の声に、振り向いて反論する。
「彼氏いないんだ」
「や、そういうわけじゃ………」
「なんか、初日に、なんでも質問どうぞって言ってた時は、彼氏いますよ~的含み発言だったよな?あれ、単に見栄張ってただけなんだ?」
「そ、それは………」
「じゃ、彼氏いない歴、何年?」
「う………」
私は、言葉に詰まる。
「なあ」
アランが、いたずらっぽい目つきをして、面白そうに笑いながら、近づいて来る―――。
「ア、アランには、関係ないでしょ!!!」
私は、とっさにペットボトルを振り回して、アランとの距離を保つ。
と。
ガタンッ。
大きな音をさせて、ペットボトルが、ガラスケースにあたる。
「それ、割ったら、ジル教頭に弁償させられるんじゃねえ?」
「え、ど、どうしよっ」
私は、慌ててガラスケースを撫で回す。
………割れてない、傷もない。
確認して、ほっとする。
あー、よかった。