第14章 私立リアリン学園!~クロード~ 情熱編
クロード 情熱編<R18>
~妄想と現実~
クロードが頭に触れた大きな手の感触が、まだはっきりと残っている―――。
思い出す度にドキドキする。
近づいてきてくれたから、私は舞い上がってた。
被服準備室を二人だけの秘密の隠れ家みたいに思って。
大事なリアンを紹介してくれて。
一緒にお昼を食べて。
それだけで、特別な関係になったような気分。
………けれど、こんなこと思っているのは、わたしだけで。
クロードは、完全に私を子ども扱いしている。
それが、やりきれない。
クロードは大人だ。
心の中まで入り込んでくるのに、私とある一定の距離を保ったまま。
決して、踏み越えたりはしないだろう。
少しでも近づきたいと思ってても、クロードは、決めたライン以上に私を入れようとはしない。
さっきだって。
特別待遇だからってお咎めなしなんてこと、あるかな?
ほんとにお説教だけで済んだのかな。
学園長に何を言われたんだろう。
………減給、とか?
飲みに行ったら、話してくれたかな?
私は、また一つため息をつく。
せっかく誘われたのに。
断るなんて、私って、本当にバカ。
本心を言うなら、私は、クロードと過ごしたかった。
それなのに―――。
どこか、なにかが怖かった。
この、埋まることのない距離感を思い知りたくなかった。
そして、絶対的にクロードが優位な今、追いつけないもどかしさに苦しみたくない。