第13章 私立リアリン学園!3時間目~クロード~
キキッ?
小さく鳴き声を上げて、私の方にやってくる。
「そうそう、ほら、おいで!」
リアンが、私の肩に飛び乗ってきた。
あ~、よかった。
私は、少し力を入れてリアンの背を掴もうとすると、手の中から巧みに抜け出し、今度はテーブルの上に飛び乗る。
「リアン!」
その声に一瞬、振り向いたけど、リアンはテーブルを渡り歩き、ドアへと近づいて行った。
ドア開いてなくてよかった。
ほっとしたのも束の間………。
リアンは、テーブルからジャンプすると、ドアの取っ手に乗っかった。
リアンの重みで取っ手は下に下がり、ドアが開いた。
えっ!?
器用に両手を、開いた隙間に入れると、ドアはゆっくり大きく開いていって………。
床に飛び降りたリアンは、すぐにそのドアの隙間を潜り、姿が見えなくなってしまった。
え、ちょっと、嘘でしょ!?
リアンが、ドアを開けた?
どうしよう!
私は、慌ててリアンを追いかける。
長い廊下を駆けていくリアンの姿が見える。
「待って!」
クロードが鍵をかけろと言っていたのは、リアンが自分でドアを開けられるからだったんだ。
………そんなこと、今頃、気づくなんてっ!
階段を降りていくリアン。
………早いっ、追いつけないよ!
息を切らして階段を降りきると、開いた窓から外へと出ていくリアンの姿を目の端で捉える。
「リアン!行かないで!」
私は、非常口へ回り、外へ出るとリアンの姿を探す。
先の木々の間からチラリとリアンの姿が見えたような………。
どうしよう、どうしよう!
私の頭の中は、グルグルとそればかりで、とにかく必死でリアンの行方を探し続けた―――。