第13章 私立リアリン学園!3時間目~クロード~
「さてと」
クロードは、立ち上がると棚から本を取り出す。
「5時間目がもうすぐ始まるぞ。マインは、次は何の授業だ?」
「私は空きだよ。クロードは被服室で授業なの?」
「いや、講義だから教室だ。俺は行くが」
「私、もう少しここにいてもいい?」
「ああ。準備室出る時、鍵を閉めてくれるか」
胸ポケットから出した鍵を受け取る。
「職員室の俺の机の上に置いといてくれ。あと、カップはそのままでいい」
「わかった。行ってらっしゃい」
私は、クロードに手を振る。
パタンとドアが閉まり、静寂に包まれる。
あれ、そういえばリアンは、と。
部屋の隅にバスケットが置かれていて、その中でクルリとまるまって眠っているリアンの姿がある。
………かわいいな。
私は、音を立てないようにサンドイッチの包みをまとめてゴミ箱に捨てる。
う~ん、と軽く伸びをして。
ここ、意外と落ち着く。
リアンの寝顔を見ていると、私まで眠くなってきた。
けど。
6時間目の授業に遅れるわけにはいかない。
授業の準備もあるし、そろそろ職員室に戻った方がいいかも。
私は、立ち上がってパイプ椅子を畳んで、元のように壁に立てかける。
そして、そっとドアを開ける。
と―――。
足元にサッと風が吹いた感覚がした。
え、なんだろう?
下を見ると………。
一瞬チラリと見えた細長いフサフサの………。
シッポ?
「………!リアン!」
あっというまに準備室を出たリアンは、被服室のカーテンによじ登っている。
「リアン、いいコだね、降りておいで」
………私の呼びかけなんかに、応じる気はないみたい。
カーテンレールに掴まって、次のカーテンへと向かっていく。
………楽しそう、なんだけど。
私は、カーテンのすぐ下で両手を広げてみせる。
「リアン、おいで」