第13章 私立リアリン学園!3時間目~クロード~
「クロードは、服のデザインもするの?」
さっき、テーブルにあったデザイン画を思い出して尋ねる。
「本職はデザイナーだ」
「それなのに、先生してるの?」
「傍らで教師をしてる、というところかな」
「どうして?」
「まあ、いろいろ経緯があってな、それより………」
それ以上は、語る気がない………そんな様子で話題が変えられる。
「ほんとに飲みに行こう。マイン、気張り続きなんだろ?息抜きが必要だ。ここでは、なかなか友達に会うのも難しいからな。俺でよければ付き合うが」
心配して言ってくれてるんだね。
「ん、ありがと。でも、今のとこ、ここでのランチで充分」
「振られたか」
クロードは、大げさに肩をすくめる。
「そういえば、友達は元気か」
「え」
………友達?
「一緒にいた友達がいただろ。三人で飲むってのもありだな」
「一緒にいた………友達?」
私は、クロードが何を言っているのかわからなくて、聞き返す。
「おい、まさか、覚えてないとか言う気か?マイン、お前、こんなイイ男に会ったことを忘れるとは」
「え、私、クロードに会ったことあるの?いつ?どこで?」
全然、記憶にない。
そう思っていたら………。
クロードは、壁に掛けられたハットをおもむろにかぶって見せる。
あれ、どこかで見覚えある………。