第13章 私立リアリン学園!3時間目~クロード~
クロードからサンドイッチを受け取る。
薄めのパンにレタスやチーズ、パストラミビーフがたっぷり詰まっていて食べごたえありそうだ。
「あ、でも、これ、クロードのでしょ。私は食堂で食べるよ」
「店の女のコが美人で褒め上手だから、つい多めに買っちまうんだ。だから、食べてくれた方がむしろありがたい」
「そういうことなら、遠慮なくいただきます」
パクリと大きく口を開けて、サンドイッチにかぶりつく。
「美味しい!」
パンと具材の絶妙なバランスが口の中にじんわりと広がっていく。
「このサンドイッチのためなら、また早起きして買いに行こうと思うだろ」
「うんうん、わかる」
私は、サンドイッチを噛みしめる。
リアンが、欲しそうにサンドイッチに手を伸ばしている。
「リアン、お前はこっちだ」
クロードは、プラスチックの容器にペットフードをザラザラと入れ、手招きする。
ピョンッと私の腕から飛び乗り、ペットフードへと向かって行くリアン。
「コーヒーと紅茶、どっちがいい?」
「じゃ、紅茶を」
「了解」
クロードは、傍らの小さな棚からカップを取り出すと、ケトルでお湯を注ぐ。
ふんわりと一瞬、紅茶が香る。
けれど、すぐにコポコポという音とともにコーヒーの香りにかき消される。
私に紅茶を、クロードはコーヒーを淹れてテーブルにコトンと置く。
続いて砂糖とミルクとスプーンを並べる。
クロードは、そのままコーヒーを飲み始める。
………ブラックで飲むんだあ。
私は、砂糖を二さじ、ミルクをたっぷりにしてかき混ぜる。
………いい香り。
ゆっくり香りを堪能して、一口飲むと、上品な甘さに包まれる。