第13章 私立リアリン学園!3時間目~クロード~
通り過ぎていく合間に、背中や頭を撫でる。
「お前のことを気に入ったようだな。マインが好きって言ってるみたいだ」
「私もリアン好きだよ。いいコだね」
「いいコかどうかは、定かでないがな」
クロードは、苦笑する。
「なんで?ヤンチャ過ぎる?」
「以前、学園内で暴れ回って、ジルに説教くらってるからな」
「そんなことがあったんだあ。リアン、怒られちゃったの?ジル教頭は怖いねえ」
リアンが腕の上で動きを止め、私の言葉を聞いているかのように首を縦に振る。
「あ、もしかして、頷いてる?」
「あれ以来、ジルの名前に反応するからな」
「そっかぁ」
「昼飯まだだろ?これ、食べるか?」
いつのまにかテーブルの上は片付いていて、クロードは、そこに置かれた紙袋からサンドイッチを取り出す。
「美味しそう!もしかして、クロードが作ったって言う?」
「ああ、そうだ………と、言いたいところだが、これは街で買って来た物だ」
「街に行くの?」
「行くだろ、普通に。俺達は自由だからな。ただし、学園の敷地外に出るまでには相当の距離があることは覚悟しないとな」
そういえば、私は、まだ一度も学園内から出たことがない。
初めての休日は部屋の片付けで終わってしまったし。
身の回りの物で、今のところは不自由がないというのもあるけど。
学園の門まで相当歩くだろうと予想がつく。
ここに来る時は車だったけど、それでもかなり距離があったので、出かける気になれないんだよね。
「その椅子に座るといい」
クロードの指差す方に目を向けると、壁にパイプ椅子が立て掛けてある。
椅子を立ててテーブルの前に座ると、奥に座っているクロードと向き合う形になる。