第13章 私立リアリン学園!3時間目~クロード~
と―――。
静かな被服室に、カリカリと小さな音が響く。
ん?
何の音だろう―――。
すぐ横に、被服準備室と書かれたドアがある。
今の音、ここから聞こえた気がする………。
私は、そのドアノブに手をかける。
………開かない。
鍵がかかってるのかな?
首を傾げたその時―――。
カチャリ。
ほどなくして、ドアが開く。
「マイン?」
「クロード!」
開いたドアから姿を現したのは、小さなサルを抱えているクロードだった。
私は、すぐに小ザルに釘づけになった。
「うわっ、かわいい!」
生意気そうな顔つきをしてるけど、そこがまた、なんともかわいらしい。
とっても賢そうだし。
「クロードのペット?」
「ああ、悪いが鍵を閉めてくれ」
「鍵?」
私は、部屋に入ってドアを閉めると、言われたとおり鍵をひねる。
さっきまでの被服室と違って、生地や紙がギッシリで、圧迫感がある狭い部屋。
真ん中に小さいテーブルがあって、その上には何枚かのデザイン画が散らばっている。
クロードがデザインしたものだろう。
それも気になったけど、やっぱり目を奪われるのは、このコの存在。
小ザルは、クロードの手から逃れようともがいている。
「こら、リアン。おとなしくしろ」
「きゃっ!」
スルリとクロードの手から抜けたかと思うと、私の腕を駆け上がって、両肩を行ったり来たりと繰り返す。
「このコ、リアンって言うの?………っ、くすぐったいよ」
落ち着きなく動き回るリアンを抱きかかえようと手を伸ばすけれど、捕まる気は毛頭ないようだ。
長い尻尾が、時折頬を掠めていく。
右の腕にいたかと思うと、もう左側に来て、せわしなく動いている。
「すっごくフワフワしてる」