第13章 私立リアリン学園!3時間目~クロード~
~リアン~
4時間目は視聴覚室での授業だった。
最初は、このあまりにも最新鋭の映像機器に戸惑っていたけれど、使い始めると便利な機能が多く、改めて設備の素晴らしさを実感した。
いろいろな教科を教えるのも、意外と楽しい。
新たな発見があったりして、私自身も勉強になる。
違う教室で授業を行うのも新鮮だし、なによりこの広い校舎内に馴染んできた感じがして嬉しい。
ウキウキした気分で視聴覚室を後に、すぐそばの階段を降りようとして、長い廊下の先のつきあたりに、被服室と書かれた教室があるのに気づく。
被服室。
クロードは、いつも職員室にいないけど、あそこにいるのかな。
ゆっくりと廊下を歩いていき、被服室の前にたどり着く。
人の気配が感じられないので、誰もいないだろうと思いながらも、ドアをトントンと叩いてみる。
シンと静まり返っている。
やっぱり、返事はない。
ドアノブに手をかけ、ガチャリと下へ押し、ドアを開ける。
ガランとした広い被服室。
作業用の大きなテーブルがいくつも並んでいて、壁側にミシンがたくさん置いてある。
部屋の奥に、デザインの異なるパジャマを着ている三体のトルソー。
吸い寄せられるかのように、トルソーに近づいていく。
生徒の作品かな。
その一つは大きめの青いパジャマなので、男子生徒が作ったのだろう。
………私より、上手かも。
学生時代、エプロンとかクッションとか作ったなあ。
あまり裁縫は得意ではないけど、友達とワイワイ言いながら作業するのが楽しかったな。
なんて、懐かしんでみたり。
それはそうと。
クロードはいないみたい。