第11章 私立リアリン学園!2時間目~ノア~
~昼寝~
ノアは、今日も教室の隅で眠っているのだろうな………。
校庭での体育の授業をよく目にするけど。
ノアのクラスの時に、姿を見たことがない。
きっと、どこかで寝ているんだろうけど。
ノアは、一人で勉強してるんだろうな。
教えてもらわなくても、できるから?
でも。
それじゃ、先生は、必要ない?
私が授業中に寝てるノアを起こすことって、夜、勉強するノアの妨げになったりするのかな。
―――なんだか、私の存在意義がないようで、虚しい。
教師としての私の役割って何だろう、とか。
私一人で頑張って空回りしてるのかなと思うと、気分が晴れない。
はぁ………っ。
昼休み。
職員室を出て、深いため息をつく。
食堂に向かってはいたけど、なんとなく食欲がなくて、そのまま中庭に出る。
吹く風が、髪を揺らす。
柔らかい日差しが、秋の気配を感じる。
ゆっくりと歩みを進め、中庭を抜けると、辺りは、森のように木々が茂っている。
初めて学園に来た時も思ったけど、本当に広いな。
敷地内で迷子になる可能性もありそう。
………気をつけなきゃ。
私は、来た道を振り返って確認しながら、森へと向かう。
と。
木陰の下で、横になっている人を見つける。
―――ノア。
遠目からも、すぐにわかった。
こんなところで寝てるなんて。
この様子だと、お昼ご飯、食べてないだろうな。
というか、4時間目の授業も出てないのかな?