第11章 私立リアリン学園!2時間目~ノア~
「あー、アラン、発見~」
ノアは、楽しそうにそう言うと、向こうから歩いて来るアランに、無理矢理資料を押しつけている。
「マイン先生、こうやって、適当な人に手伝わせちゃうんだよ」
「は?適当な人って………失礼なんだけど」
突然、渡された資料を抱え直しながら、アランは顔をしかめる。
「あ、ごめん。適任、の間違いだったー」
ノアは、私の方にもう一度向き直って。
「じゃー、俺、行くね。アラン、後よろしくー」
私は、去って行くノアの後ろ姿をじっと見つめる。
なんだろう。
ノアって不思議だ。
つかめないって、言うか………。
「………なあ、これ、次の時間、使うんだよな?先行って配っておく」
「あっ、うん、そう。ありがと」
はっと、我に返って。
さっさと歩き出したアランの後に、慌ててついて行く。