第11章 私立リアリン学園!2時間目~ノア~
「会ったことあるって………どこで?」
「んー、夢の中」
「それ、会ったって言わないでしょ!」
もう、言ってること、メチャクチャだよぉ。
でも。
私の夢なんて、見るんだ………なんて、ちょっとドキドキしたりして。
でも、つぎの瞬間。
私は、ノアの言葉に固まってしまった―――。
「夢の中でマイン先生、フリフリピンクのメイド服着て、ティッシュ配ってたー」
「………!!!」
それって………。
記憶が呼び起こされる。
………いつだっけ。
そんなことが、あった。
大通りで、ティッシュ配ってて。
人にぶつかって。
睨まれてる私に、優しく声を掛けてくれた―――。
「あの時のっ、ノアだったの?」
「やっと思い出してくれたー」
「ノア、あの、それ………」
「あれからすぐ、辞めちゃったんだね。もう一度会えたらってずっと思ってた」
ノアは、笑顔で話しているけど………。
私は、それどころじゃなかった。
まさか、ノアと以前会ってたなんて。
それに。
そうなると、ノアと一緒にいた、あの、私を怒鳴ったのは………カイン!?
「大丈夫、心配しないでー。誰にも言わないから。マイン先生と俺の二人だけの秘密」
「秘密って………だって、一緒にいたの、カインだよね?」
カインも、あの時のメイドが私って、知ってるってことだよね?
「あー、そっか、カインもいたか。カインはそういうことベラベラしゃべるような奴じゃないから安心して。んじゃ、仕方ないなー、カインも入れて三人の秘密ってことにしよ」
なんか、まだ頭の中、混乱気味だけど。
とりあえず、秘密ってことで落ち着いたから………。
でも。
今になって、思う。
やっぱり、メイドカフェでバイトしていたことは、この学園で知られたくない。
先生としての威厳が、保てなくなりそうだから………。