第1章 皆でお祝い♪ ゼノ様バースデー!
「甘くて、柔らかくて、とても美味いというから、てっきりケーキかと思ったが………」
ゼノ様が立ち上がり、ドレッサーへと向かう。
ドレッサーに置かれたままになっていた、ユーリからもらった赤いリボンを手に、私の正面に立つ。
私は、そんなゼノ様を見上げる。
ゆっくりと近づいてきて、ゼノ様は手にしたリボンを私の肩にかけ、かがんで私の胸の前で結ぶ。
ほんの少し距離を取り、私を眺めているゼノ様。
「まさか、お前自身がケーキだとは」
「え」
「せっかくだ、一晩かけて、じっくり味わうとしよう」
ゼノ様の顔が、ゆっくりと近づいてきて、唇が重なる。
そのまま急激にキスは深くなっていき、息が上がっていく。
「………ゼノ、様………っん………」
体勢を維持しようと身構えていると―――。
「何度も焦らされた。もう、待つ余裕はない」
そう言うと、また深く口づけて、ベッドに押し倒される。
ゼノ様のキスを受け止めるが精一杯で、だんだんと視界がぼやけていく………。
「………ぁ………っん………ゼノ、様………」
僅かに生まれた隙間から、吐息を漏らす。
と、唇が離れ、呼吸が自由になったことに気づき、安堵しながら息をつぐ。
ゼノ様の視線を感じ、見上げると―――。
「お前が、欲しくてたまらない」