第1章 皆でお祝い♪ ゼノ様バースデー!
~プレゼント~
ふぅ………。
私はベッドの端に座りながら、小さくため息をつく。
………ちょっと飲みすぎちゃたみたい。
ユーリが持ってきてくれたワインが美味しくて、つい飲み過ぎてしまった。
「大丈夫か?」
私の隣りに座り、心配そうに顔を覗き込むゼノ様。
パーティーを終えて、足取りのおぼつかない私を、ゼノ様が部屋まで送ってくれていたのだ。
「はい………すみません」
私は、なんとか笑顔を作る。
ワインのせいなのか、ゼノ様との距離が近いからなのか、胸の動悸がおさまらない。
「いいパーティーだったな」
ゼノ様が、笑顔を浮かべて言う。
「そうですね。ゼノ様に喜んでもらえて、よかったです」
私も穏やかな気持ちに包まれ、本心からの笑顔になる。
「それで?一体、どこにバースデーケーキがあるというのだ?」
「えっ?」
唐突な質問に、目を瞬かせる。
バースデーケーキ?
「ユーリが、お前の部屋にプレゼントがあると言っていた」
「え………ケーキが、ですか?」
脈絡のない話に、戸惑う。
ケーキなんて。
さっきのパーティーで、アルバートが作ったケーキを皆で食べたばかりで。
しかも、アルバート以外、ケーキは用意していない。
思考能力の低下している頭の中で、あるのかどうかわからないケーキの行方を探ってみるけれど………。