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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第11章 私立リアリン学園!2時間目~ノア~




「同じほど、それより下臈の更衣たちは、 まして安からず、朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふ積もりにやありけむ、いと篤しくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、 いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえはばからせたまはず、世のためしにもなりぬべき御もてなしなり」



突然、ノアがスラスラと源氏物語を朗読し始めた。



………え、えっ?



私は、驚いて足を止める。

そんな私を少し先を行ったノアが、振り返る。



「続き、読んでって言ったよね」



先週の古典の授業のことを言っているのだろう。

確かに寝ているノアに続きを読むように言った。

そして、今、ノアが朗読したのは、私が授業の時、朗読し終えた箇所からだった。



「こないだは、授業中断させちゃってごめんね」



………悪いことしたなと思っていたのかな。

だから、一生懸命読んで、暗記してきてくれたんだろう。

そんなノアの思いを感じて、私は、すごく嬉しくなった。



「ううん、もういいよ。それより、暗記したの?すごいね」



また、二人並んで歩き出す。



「どんなかなーと思って読んでみたら意外と面白くて、図書館で借りて、つい、一気に全部読んじゃった」



「え、全部?」



全部って………源氏物語って、確か、原稿用紙に換算すると二千枚は超えるはず。


「最初から、最後まで?」



「うん、最初から最後まで。原文で読んで後から現代語訳も読んだ。やっぱり原文の方が風情があっていいね」



「………」



さらっと、すごいこと言ってるんだけど………。

この一週間は、ずっと源氏物語づくしだったのかな。







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