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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第1章 皆でお祝い♪ ゼノ様バースデー!




皆でひととおり飾りつけを説明し終えた後、ゼノ様に椅子を勧め、私もすぐ隣りに座る。

「何か召し上がります?」

私は、取り皿を手にする。

「そうだな。あれは………ニシンのパイか?」

魚をかたどったパイ生地が、いい焼き色をつけて、香ばしい匂いをさせている。

「はい。お口に合うかどうか………。お母様の味にはかないませんが、懐かしく思っていただけたら、と思って」

私は、はにかみながら、パイを切り分ける。

「どうぞ」

パイの乗ったお皿を、ゼノ様の前に静かに置く。

「食べさせてくれるのではないのか?」

ゼノ様はフォークを手にすると、そのフォークを私に差し出す。



「え………」



「お前が、骨を取ってくれるのではなかったか?」



ゼノ様が口の端に笑みを浮かべながら、じっと私を見つめる。



「あ、あの、骨は、調理前にしっかり取り除いてありますので………安心してくださいっ」



しどろもどろにそう答えると。



「そうか、では、いただこう」



そう言いながら、ゼノ様は、私の手にフォークを握らせて―――。

そのまま、私の手を掴み、フォークでパイをすくい、口に運ぶ。


―――っ!



私は、あまりの恥ずかしさに、顔が一気に熱くなっていく。

思わず、ユーリとアルバートの方を見やると………。

2人は明らかに不自然に、私達から視線を逸らしている。



恥ずかしいけれど、この何とも言えない距離感が、妙に安心する。





こうして、ゼノ様の誕生日パーティーは和やかに過ぎていった―――。








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