第9章 私立リアリン学園!1時間目~ユーリ~
私立リアリン学園!1時間目~ユーリ~
~一年一組 ユーリ=ノルベルト~
ジル教頭に連れられてやって来たのは、一年一組の教室の前。
「本日は、一年生のクラスを担当していただきます。後は、お任せしてよろしいですね?」
「はい、頑張ります!」
私は、緊張しつつもはっきりと返事をして、笑顔を見せる。
よし、行くぞ!
ドキドキしながら、教室のドアを開けると―――。
途端に、ワーッという、歓声に包まれる。
………歓迎、されてるのかな。
そう思うことにしよう!
と、安堵しながら、ゆっくりと教室に入り、生徒達と向かい合う。
………皆、私に注目してるーーっ。
「初めまして」
短くそれだけ言うと、お決まりのように黒板に向かい、大きく自分の名前を書いていく。
『虹野マイン』
書き終わると、また生徒達の方に向き直る。
「虹野マインです。よろしくお願いします」
そう言って頭を下げると、盛大にってくらいではないけど、それなりにパチパチと拍手をもらった。
「では、お互いの自己紹介を兼ねての質問をどうぞ。許容範囲で答えていきたいです」
こう言うと、絶対に『彼氏はいる?』とか『いくつ?』って聞かれるんだよね。
お決まり、お決まり。
ま、どんな質問でも、そうそう動じないけどねっ。
「じゃあ、はい」
ヒラヒラと手をかざして、真ん中に座っている生徒が立ち上がる。
「俺は、レオ=クロフォード。マイン先生は、もしかして、先生やるの、初めて?」
銀髪に緋色の瞳。
ピアスにチョーカー。
そして、ニコリと甘い笑顔。
………レオ=クロフォード、と。
「はい、そうです。今日から、私も皆と同じ1年生です」