第8章 私立リアリン学園!HR
そして、今、セバスチャンと別れ、一人で中へと入って行く。
少々年季の入った建物に、相応しくないほどに入口は最先端仕様で、IDカードを通してゲートを通過する。
入ってすぐに厨房と食堂、談話室のような部屋と、その奥には広いホールもある。
廊下や窓、天井や壁に至ってもきちんと掃除が行き届いていて、どの部屋も余計な物がなく、さっぱりとして小綺麗だ。
私は、ボストンバッグを持つ手を替え、階段をゆっくりと上がって行く。
昇り終えたすぐの部屋には、名札が掲げてあり、そこには『毛矢芽瑠』と書かれていて、苗字の上に『もうや』と、手書きでフリガナがふってある。
前任の先生の名前なのだろう。
変わった名前だな………。
名札から外し、私の名前と入れ替える。
『虹野マイン』
うん、よし。
今日から、ここが私の部屋!
中は思っていたよりも広い。
トイレに洗面台、シャワーも併設されていて。
キッチンはないけど、ワンルームマンションみたいだ。
部屋の奥にベッドと机が備えついていて、真新しいカーテンにシーツ。
きちんとベッドメイキングもされているので、すぐにでも横になれる!
備品はすべて用意してあるので、必要最小限の荷物でと言われていた。
なので、ダンボール数箱に身の回りの物を詰めて先に送っていて。
それらは、きちんと並べて隅に置かれている。
「五分休憩~~!!」
私は、一人でそう呟くと、勝手に休憩を決めて、ベッドに寝転がる。
わーい、フッカフカ♪
誰もいない宿舎は、シンと静まり返っていて。
それが、とても心地良い。
素敵な部屋、素晴らしい校舎。
そして、念願の教師♪
これからの学園生活を思うとワクワクが止まらない。
お布団は、あったかいし。
あー、幸せ………。