Lucky Sound ...and Light?
第1章 1
1・2分それを続け、十分痛めつけたところで(笑)、俺は詩織を解放した。
解放された詩織は、こめかみを押さえて肩で息をしている。
「お前なー、俺らこれからレコーディングやぞ。マネージャーのお前は何をやっとん??」
「す、すみませんでした・・・」
レコーディング中の俺は、かなり敏感なんや。
別に機嫌が悪いわけやないんやけど、良いわけでもない。
けどな、隣でゲームやられてみ?
ムカッと来るやろ?
お前、何様のつもりや!!って思うやろ?
俺は詩織から離れて、またデモテープを聴きながら少しずつ声を出し始めた。
詩織は左手でまだこめかみを擦りながら、パソコンの電源を落としている。
その時、詩織が顔を上げて、驚いたような真剣な顔で周りを見回した。
「・・・どうかしたん?」
俺は、不安そうに周りを見回す詩織に声をかけた。
「今・・・何か聞こえませんでしたか?」
「何かって?」
「・・・ドラム缶を転がすような・・・ガラガラ・・・っていう・・・音」