第11章 未知との遭遇
5、lilas
彼女に向かう脳無に彼女は空を舞う
「私は……“強人”…私は“…速い”…」
その言葉を空中で呟き、彼女は脳無に向けて踵を落とす。
「グガアア!!」
彼女は次に、右手を構え、かの化け物へ踊るように、天へ手を振り払った。
「これからが反撃の時だ!!」
彼女の姿に、
死柄木は実に楽しげだ。
「相変わらず凄いなあ!!……
本当……けど…お前は騙されているんだ!!!!この平和ボケした世界に…」
そして、彼女に向けて個性を使おうと走りだす、
彼女はガシリとその腕をつかみ
それを交わす。
「残念……当たらないよ……“散れ水椿”
(ミズツバキ)……」
そう現れた花の花弁が辺り一面に舞い散り
その場のものを溶かしていく。
「この花は、私が望んだものだけを溶かすの……けど…安心して…私は人を殺さないから………ちょっと、痛いけどね?」
痛みに顔を歪める敵
そんな敵を後目に彼女は自信ありげに呟いた。
「貴方は……私の事、知っているみたいだけど……ごめんなさい…小さい頃のこと、よく覚えていないの……
後、私は騙されてなんていない……私は……私の意志でこの場所にいるんだ……」