第11章 未知との遭遇
4ゲームオーバー④
しかし…脳無は倒れることなく、その場で立ち上がる。
すかさず、そこへ何者かが、相澤の元へ駆け寄って来た。
「やっぱり……相変わらず……硬いなあ…相澤先生………大丈夫ですか?」
無表情に彼の肩を抱き、そう言ったのは、
「何しに来たッ………リラッ…!!」
リラだった。
「何しに来たって……平和の象徴が来るまでの時間稼ぎです……」
彼女の姿を目にした途端に死柄木は溢れんばかりの笑顔で、彼女を狂気的に見つめる。
「俺は!!ついてるなあ!!やっと!!会えた!!!!リラ!!」
向かってくる脳無の拳、
彼女は相澤をお姫様抱っこすると
それを華麗に避け、緑谷達の元へ向かう。
「虚言さん!!」
「リラちゃん!!」
「お姫様抱っこ………」
一人だけ発言が可笑しいように感じるが彼女は相澤を緑谷に渡す。
「出久君……相澤先生を頼むよ……」
相澤は苦しそうに声を上げ、
彼女を睨む。
「お前……何するつもりだッ……」
しかし、彼女は相澤に手をかざすと
「何って…
感情を今一度……“Gefühl(ゲフュール)”」
笑顔で……今度こそ、誰も傷つくことも
いなくなることもないように……
「本気で戦うためだよ……逃げ続けたお返しをしなきゃ……いけないから……それと、先生……目は大切にしなきゃ…
先生はカッコいいヒーローなんだから……“Kengen”(元に戻れ)」
「だから……先生は見てて、」
その笑顔は……とてつもなく美しく儚げだった。
相澤がこれないように……彼女は彼の目だけを治し
「………ッ…」
脳無に向かっていった。
「だから……帰られちゃうとこまるんだよね…亡霊……今度は私が相手だ……」