第11章 未知との遭遇
4ゲームオーバー②
「リラちゃん!!」
お茶子が彼女の名前を呼ぶ。だが、彼女の顔はいつもと少し違って見える。
「オイ……ヴィラン……いい加減にしてって、言ったんだけど、離れて…」
「いやあ!まさか、貴女から来てくれるとは!!思いませんでしたねぇ!!虚言 リラ!!」
彼女の前で、嫌な笑を浮かべると
黒い霧は彼女を覆い尽そうとする。
「虚言君!!」
彼女が消されてしまう!!と必死に手を伸ばした生徒達…
だが…彼女は……そんなもの気にせずただ前を向いていた。
「…安心して……私は…これから、広場に向かわなきゃいけないんだ…だから…お前に関わっている暇は無いんだよ……
でも…彼等もほおって置けなかった……だから………君達にある子をプレゼントしよう………
おいで…“白虎”」
そう言うと、彼女の前に大きな白い虎が姿を表す。
驚く周り
そんな彼らに彼女が言った。
「大丈夫………“彼等の盾となれ”」
ガオォ!!!!虎は黒い霧へと叫び向かっていく。
首部分に食らいつき、黒い霧は逃げようとするが…叶わない。
彼女はそれを確認すると、背中を向ける。
「未だ……委員長…早く行け!‼」
彼女の声が響き渡り、走り去る飯田
扉を開け、外へ出ていく、彼の背中を眺めながら
彼女は13号の元に近寄ると、
彼女は手をかざす。
「………“治せ”」
傷を治し彼女はゆるりと立つと、広場をただ見つめている。
その視線の先には、頭を叩きつけられている相澤の姿、
それを行っているものを彼女は目にすると、ただ小さく呟いた。
「成程………あれが、やっぱり、対平和の象徴か……」