第11章 未知との遭遇
3一時の勝利①
彼女が相澤の元へ向かう頃、
水難ゾーンでは、
中心の船の上で、緑谷、蛙吹、峯田が敵に囲まれていた。
緊張した空気の中、緑谷はどうにか、ここを脱出出来ないかを考える。
「大変なことになったわね……」
「うん……でも…さっきのヴィランの言葉………雄英のカリキュラムを知ってた!!
単純に考えれば、昨日のマスコミ乱入は奴らが情報を得るために仕組んだ事だ……
轟君が言ったように虎視眈々と準備を進めてたんだ!」
「でもよ!でもよ!オールマイトを殺せるわけねえさ!!オールマイトが来たら皆けちょんけちょんだぜ!!………」
「峯田ちゃん……殺せる算段が整っているから、連中……こんな無茶してるんじゃ無いの?………
そこまでの奴らに、私達なぶり殺すって言われたのよ?オールマイトが車で持ちこたえられるのかしら………
オールマイトが来たとして、私達……無事でいられるのかしら………」
不安が募る
蛙吹の言葉に恐怖を感じ涙を流す峯田に
何処か蛙吹の言葉に納得する緑谷………
だが、今は………やるしかない
持ちこたえるしか無いのだ
………ヒーローが来てくれるその時まで、
彼等がいくら、オールマイトを殺す算段が付いていたとしても、
緑谷はオールマイトとの思い出と彼への思いを胸に、強く拳を握りしめる。
あいつらの理由何て!!知るか!!
「もし……あいつらにオールマイトを殺す算段があるのなら、……僕らがやることは、その企みを阻止すること…だ!!…戦って勝つことだ……」
彼の言葉と同じ時、各ゾーンにいるヒーローの卵の気持ちはほぼ同じ……勝つことだった。
その頃、仮眠室では、オールマイトがこの異変に気づき始める。
繋がらない……ケータイ……
オールマイトは踏ん張ろうと、力を入れるが、やはり…血を吐いた。
そんな彼の元へ、現れたのは、
「待なよ!!」
「ッ!!」
「よお!俺もいるよ?……」
「耀少年と校長先生!!」
耀と根津はオールマイトの姿を確認すると
彼のまえまでやってくる。
「大変今日も整った毛並みでいらっしゃる!!」
「秘訣は、ケラチンさ!!人間にはこの色艶は出せないのさ……って、そんなことは、後にして……」
根津は服をまさぐり、あるものをオールマイトへ見せる。
……