第11章 未知との遭遇
2、迫る恐怖
「相澤先生の体力テストで自身の秘めている力の可能性を知り、
オールマイト先生の対人訓練で、それを人に向ける危うさを学んだとおもいます。この訓練では、
しんれんの為に個性をどう使うかを学んで行きましょう!!君達の力は、人を傷つける為にあるのでは無い……守るためにあるのだと思って帰って下さいな!!以上ご清聴ありがとうございました。」
周りが13号の話に釘付けとなり騒ぐ中で、…
リラはある空気を感じ取った。
その空気に彼女はとても胸騒ぎがすると、
相澤の元へ近寄る。
「先生!!」
必死な彼女の顔に、相澤も何かの気配に気づいた。
「どうした?…リラ…っ……」
「何か来ます!」
「…一塊になって動くな!…13号!!生徒を守れ!!」
相澤の声に、中心を見つめる生徒は、異変を感じ取る。
「なんだありゃ?……また入試の時みたいに始まっているパターンか?」
中心に広がる黒い霧に、出てくる人物、
動こうとした時、相澤が声を荒げる。
ゴーグルをつけた彼の姿は、
誰もが只事じゃない事を理解した。
「動くな!!あれは……ヴィランだ!!」
助ける為の訓練では、絶対に現れるはずでなかった脅威に、誰もが困惑の色を見せ始める。
現れたヴィランは、何かを探してるように、その場に立ち尽くす。
「13号にイレザーヘッドですか……
先日いただいた教師側のカリキュラムでは……オールマイトがここにいるはずなのですが、」
「やはり……先日のはクソどもの仕業だったか!!」
先日…というのは、恐らく、マスコミ乱入の事だろう。
最初の3人から次から次へと現れる敵に…
「何処だよ……せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさぁ………オールマイト………平和の象徴………いないなんて……子供を殺せば来るのかなあ?……」
中心の男は、生徒達の方へ笑いかける。
「でも………俺の可愛い…リラがいるのは、ラッキーかなあ……」
手を身体に沢山纏うその男が何を言ったのかは、聞き取れない。
だが…狂気を向けられたリラは、その男の隣にいる化物を凝視する。
その化物の姿は彼女が良く知っているものだった。
「……………あれは………何で……でも……確かにあの姿は……まだ……生き残りがいたの?それとも………」