第10章 頑張れ!飯田君
食堂へ着けば、毎回、かなり混んでいる。
席無いかなあ…とか、考えながら、カードを差し出し、食を得た。
今日はハンバーグ定食であり、
彼女はキョロキョロと席を探していると、後方から、誰かが、彼女を呼んだ。
「虚言……隣…空いてるぞ…」
その声は轟で、彼女は無表情に彼を見つめると、短く返事を返した。
「やぁ……また会ったね……轟焦凍…じゃあ、座わらせて貰おうかな………」
彼女は静かに彼の隣に座り、定食を口にしている。
「お前…昨日は大丈夫だったのか?今日も体調優れないんだろ?……」
「……君は優しいな……私の体調を案じてくれるのかい?けど、大丈夫……もう治った。昨日はいつもより、いい方なんだよ?」
「何時もは、最酷いのか?」
「あぁ……リカバリーガールには、良くて三日の悪くて1週間は目を覚まさないだろうって、言われている……」
三日から1週間……そう言う彼女の横顔は実に儚げだった。
彼女の個性は、かなりのリスクがあるらしい…
轟が彼女の横顔を眺めつつ、蕎麦をすすると、食堂中にサイレンが鳴り響く
それは、セキュリティティー突破の合図
その瞬間……人々が焦り惑い……扉に人が流れるように押し寄せる。
彼女と轟も席を立ち、出口に向かった。
だが…彼女は立ちどまると外の方へ視線を移す。
「あれは……」
彼女の視線の方向には、外ではっていた報道人の姿が、
その姿を確認すると、彼女はもう一度、出口の中心を見れば、
飯田と麗日が何かをしているのが見えた。
それを見ると、彼女は彼等が何をしたいか理解する。
「轟焦凍…この警報はどうやら、誤報のようだ……」
彼女の言葉に、轟も外を見れば、報道人が押し寄せている事を知った。
「なるほどな……」
そして、轟の隣にいた彼女は出口から出ようとする生徒達の群れに向かい呟く。
それと同時に飯田が飛んだ。
「…〝Freigeben〟(無声音)」
「大丈夫!!!!!!」
非常口のように、出口の上に立ち、飯田は声を荒らげる。
彼の声に、生徒は上を見上げれば、
飯田が言葉を繋げた。
「大丈夫!!ただのマスコミです!何もパニックになる事はありません!!大丈夫!!ここは雄英!最高峰に相応しい行動を取りましょう!」