第10章 頑張れ!飯田君
彼の言葉に落ち着く生徒……
その姿を見れば、彼女が今度はマスコミに向け、こう呟く。
「〝release〟(解除)………
〝Goodbye……medhia〟」
彼女がそう言うと、警察が押し寄せ、マスコミ達はすぐさま連れていかれてしまった…
その一部始終を見ていた轟は思う。
まるで、彼女の願いを叶えたようだったと…………
食堂の事件がすむと緑谷は緊張しながら、教壇に立つ……だが…彼には、事件から思う事があったそれは……
「で、では!!ほっ…他の委員会を決めていきたいとおっ思います…!……けど…その前に良いですか?……」
ザワつく周りに、緑谷はどもりながらも、笑顔である人物に向け言葉を繋げる。
その人物は、食堂で活躍していた飯田天哉だった…
「委員長はやっぱり、飯田天哉君がいいと思います!!……あんな風にかっこよく人をまとめられるんだ…僕は飯田君がやるのが、正しいと思うよ!」
彼の笑顔に、皆食堂の彼の行動を思い出す。
「俺はそれでもいいぜ!緑谷も言ってるし、食堂で超活躍したしな!」
「あぁ!それになんか非常口の標識みたいになってたよな!!」
切島と上鳴が緑谷の提案に賛成し、
周りも、それに同意見なのか、騒ぎ出す。
すると、緑谷の隣で眠っていた相澤は眠たげに、緑谷を睨みつける。
「時間が勿体無い、何でもいいから……早く進めろ……」
緑谷の肩は跳ね、飯田はそっと目をつぶった。
周りのやれの声を聞きながら、彼は、席を立つ。
「委員長の指名ならば仕方あるまい……以後はこの飯田天哉が委員長の責務を全力で果たすことを約束します!!」
彼は大声をあげると、そう教壇に向かっていく。
「任せたぞ非常口!!」
「よ!非常口!!」
周りはそんな彼へ声援を送る。
彼等は実に仲がいいクラスメイト……
だが……彼等は知らなかった。彼等がまだ会うべきでなかった黒い影が既にスグそこまで、来ていた事を………
「どうしたら……ただのマスコミにこんな事が出来る?そそのかした者がいるね……邪な者が入り込んだか………
もしくは、宣戦布告のはらずもりか………」