第10章 頑張れ!飯田君
彼女はもう一度、顔を伏せると、
いよいよ、投票の結果が発表される。
その結果は、
緑谷が3票の八百万2票だった。
つまり、委員長に選ばれたのは、緑谷な訳で、
驚く緑谷に立ち上がる爆豪……
「え!僕3票!?」
「何でデクに!?」
「いゃ、お前に入れるより、分かるけどな……」
「なんだと……!!」
一方、飯田は他に票を入れたため、自分は、0票だと、何となく、察していた。
だが、黒板をよく見ると、飯田に一票投票されていた。
「一体……誰が票を……」
一票の票に感動する。飯田……
だが、彼は委員長にはなれなかった。
いや、他に票を入れたのだから、当然だが、彼はかなり悔しさを覚える。
そんな彼の隣で、先ほど眠っていた彼女も目を覚ましたのか、結果を見て、呟いた。
「あれ?委員長は飯田天哉君だと思ったんだけどなあ……」
その声に勢いよく彼は彼女の方へ振り返る。
彼女があの1票を……
「え?何?虚言あいつに入れたのか?」
「だって……委員長ぽかったじゃないか、毎日、クラスを正そうと注意や提案が出来るんだよ?一番……委員長してたから……」
「……虚言って……以外に、見てんだな…」
彼女と前の席の切島が会話していると、
票を獲得した二人が前に立つ。
緑谷は緊張で震え、八百万は緑谷を見て何処か、悔しそうだった。
「ぼ……僕がいっ…委員長…」
「……はぁ…悔しい……」
「じゃあ……委員長が緑谷で副委員長が八百万だ……」
相澤が起きて紹介すれば、いよいよその二人が、クラス委員と決定する。
二人の姿に納得する他の生徒達、そして、そこで、この授業は、終了した。
昼時になり、彼女は起き上がると、
寝袋に寝ていた相澤の前にお弁当を静かに置く。
「なんだ…お前…また持って来たのか……」
「だって……叔父さんが……持ってけって」
「…はぁ…病み上がりなんだから……気おつけろよ……」
「大丈夫です…後数分で直るので……では、」
相澤に弁当を渡すと、また1人で、彼女は食堂へと向かっていった。