第8章 爆豪のスタートライン
6スタートライン
リラを保健室に寝かせると、
轟はリカバリーガールに一礼し、訓練場に戻る。
すると、丁度、オールマイトが
皆をもう一度、外に集めていた。
「皆!!お疲れさん!…後、轟少年!!ご苦労さま!!」
「いや……俺は別に」
オールマイトに肩を叩かれると、轟はそうぶっきらぼうに応える。
オールマイトはそんな彼をにこやかに見つめると、全員に今回の訓練の感想を言った。
「緑谷少年と虚言少女以外は大きな怪我や体調不良もなし!!しかし…真剣に取り組んだ!!初めての訓練にしちゃあ!!上出来だったぜ!!!!」
生徒達は相澤の後のあまりにも真っ当な授業に拍子抜けと行った顔と、ほっとして息を漏らす。
そんな彼らに、派手な衣装で、オールマイトは大きく手を広げた。
「真っ当な授業も、また!!私達の自由さ!!それじゃあ!!私は、緑谷少年と虚言少女に講評を聞かせねば!!着替えて、教室に!!お戻り!!!!!!」
そして、彼は…疾風の如く去っていく。
かっこいいと声を上げる生徒、
オールマイトは少し振り返り、ある人物に目を向ける。
それは、爆豪であり、
彼はずっと…あの緑谷との訓練からずっと下を向いたままだ。
爆豪少年…自尊心の塊、膨れ切った心ほど……弱いものはない……先生として、しっかり、カウンセリングしなければ!!!!
そう思う反面、彼はもう一つ気にしてる事があった。
虚言リラの事である。彼女の個性は普通でない、ふらついていた時、止めるべきだったが……
彼女はきっと…皆の為になる事をしてれていた、わざと、モニターには認識されるよう限定し、相手への対処、対策をちゃんと見やすいようにしてくれていた。
きっと…彼女は成績何て、気にしてない。
彼女はヒーロー嫌いだから……そんな事を微塵も考えないはずだ。
だか、彼女は……ヒーローを目指す彼らに能力が使い方で変わって来るのを見せつけていた。
だから……止めなかった。
オールマイトは彼女の心配をしつつ、
急いで、ゲートの中に駆け込む。
身体は縮んだやせ細った姿はオールマイトには似ても似つかない……
そんな元の姿でオールマイトは
息を切らしながら、
保健室へと向かって行った。
「授業やってると……時間……ギリギリだぜ……」