第8章 爆豪のスタートライン
4他者の実力
残された爆豪は負けたという現実に胸が締め付けられそうだった。
デクは…………読んでた……読んだうえで……訓練に勝つ算段を!?
そ……それって……ガチでやりあっても、俺ッ!!……完全に…デクにぃ!!!!
震える身体、荒くなる息、初めての敗北感……苦しくてたまらない…
そんな彼の背中をオールマイトは優しくトンと叩く。
「戻るぞ!……爆豪少年!!好評の時間だ!……勝ったにせよ負けたにせよ……振り返ってこそ経験というのは生きるんだ!!」
爆豪はその声にハッと我にかえると
唇を噛み締めながら好評へ向かうのだった…
「まぁ…ッても今戦のベストは…飯田少年だけどな!!!!」
その好評結果にざわつく生徒達
『「え………!!」』
勝ったのは…ヒーローチーム
……当然、好評価はヒーローチームだと思うのが普通である。
「勝った緑谷ちゃんか……お茶子ちゃんじゃないの?」
そう蛙吹が彼に聞けば、
彼はわざとらしくみんなへ質問した。
「さぁなあ〜何故だろうなあ?……はい!わかる人!!!!」
手をあげるオールマイトに皆
一人の少女が手をあげる…
彼女の名は八百万百……推薦入学者の一人にして、把握テストのとき、リラについても発言していた少女だ。
個性は創造…生物でなければなんでも作れるらしい……
「はい!オールマイト先生!!それは飯田さんが状況設定に順応していたからです!
爆豪さんの行動は支援ではなく独断……そして、先ほど先生が仰った通り屋内での攻撃は愚策……
緑谷さんも同様……受けたダメージからしてもあの作戦は無謀としか言いようがありませんわ……
麗日さんは中盤の気の緩みそして、最後の攻撃が乱暴過ぎたこと、張りぼてを核として使っていたら……あんな危険な行為は出来ませんわ……
相手への対策をこなし…核の争奪をきちんと想定してからこそ最後対応に遅れた…
ヒーローチームの勝利は訓練によって生じた反則のような者ですわ。…」
そんな彼女の意見は、理にかなったものであり、…
納得する者達
そして、……オールマイトはというと
彼女の発言が思った以上の事を言われてしまったようで少し動揺する。
「まッまぁ…飯田少年も固い所があるけど!!正解だくぅ〜!!…」