第8章 爆豪のスタートライン
3、超えたいんじゃないか!!
しかし…緑谷はそれが分かってたかのように、彼の右脇にすんなりと身体を入れ込んだ……
そして……彼を達人の如く投げ飛ばす。
「かっちゃんは……大抵……右の大振りなんだ!!!!
どれだけ見てきたと思ってる!!凄いと思ったヒーローの分析は…
全部ノートにまとめてあるんだ!君が爆発して捨てたノートに……いつまでも……雑魚で……出来損ないのデクじゃないぞ!!
かっちゃん……僕は……頑張れって感じのデクだあ!!!!」
彼の大きな声に、麗日は自分が彼に言った……言葉を思い出す。
そう……彼は……デクは頑張れって感じのデクなんだ……なら…私も!!
「デク……てめぇ……ビビりながらよおお!!そういう所が1番ムカつくなあ!!!!」
爆豪の怒りと麗日の思い、そして、立ち向かう緑谷……3人が互いの力を使い……より前へ……さぁまだ…はじまったばかりだ。
怒る爆豪に立ち向かう緑谷……まさにそれは…ヒーローとヴィランの対決のようで、モニター側はそんな戦いに釘付けだった。
「爆豪の奴何話してんだ?定点カメラで音声ないと何言ってるかわかんねぇな!」
「小型無線で味方と連絡を取っていたのさ!!持ち物は、これと、見取り図、そして、確保テープだ!!」
「制限時間は15分……ヒーロー側には、核の場所は伝えられてない……これ!!ヒーロー側が圧倒的不利ですね!!」
「何……ピンチを覆すのがヒーローさ!!それに相澤先生もいってただろう?」
『「せーの!!……plusultra!!」』
そう笑顔で溢れる生徒、
だが、そんな時、青山が爆豪のおかしな行動に気づく。
「ムシュ……爆豪が……」
モニターの方へオールマイトが視線を戻すと、爆豪が緑谷に蹴りを入れる。
緑谷は腕でそれを交わすと、麗日に叫んだ……
「麗日さん!!行って!!」
走る麗日……
「よそ見とは、いい度胸だなあ!?デク!!…」
怒る爆豪……すかさず、そこで緑谷は彼の足に確保テープを巻き付ける。
それに焦り、爆豪は再び右に大振りをかした。